【コラム】安倍氏を見送る温度差
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.14 09:52
数日前、安倍晋三元日本首相の葬式が執り行われた。今世紀に入り、指折りの政治指導者がこのように生涯を閉じたことは空しいことだ。日本の最長寿在任首相というだけでなく、日本の対内外的変化を積極的に追求した政治家を見送りながら、世界から追悼が絶えることなく続いている。日本側によると、12日までに259カ国・地域から1700件以上の弔意メッセージが殺到したという。現職でもなく前職アジア国家元首に対して異例の熱気だ。「安倍元総理が、外交において残された大きな足跡、これを改めて感じているところ」という林芳正外相の言葉が過言ではない。
その足跡の中で特に代表なものが日本・米国・オーストラリア・インド間の安保協議体「QUAD=クアッド」の設立とインド太平洋概念の確立だ。安倍氏の死後にマシュー・ポッティンジャー元ホワイトハウス国家安保副補佐官が米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の寄稿で説明したように、安倍氏はアジア太平洋を見つめるフレームを「ズームアウト」してさらに大きい概念で見ようとしていた。中国の台頭を牽制(けんせい)し、地域安保秩序に「自由民主主義勢力」の連帯を引き込む構想だ。「武力や強要から自由で、自由・法治主義・市場経済を重視して繁栄する」(2016年安倍氏発言)地域をインド太平洋フレームでまとめようという発想は、ワシントンのアジアの地政学に対する見る目を変えさせた。