【噴水台】ファクターX
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.12.16 10:49
今年8月でさえ日本は新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の拡大で頭を痛めていた。一日の感染者が2万人を行き来し、東京オリンピック(五輪)をまともに開催できるか大きな懸念を抱えていた。だが、いま雰囲気は完全に変わった。日本政府の公式発表の通りなら、一日感染者が100人前後へと激減した。オミクロン株で全世界が再びコロナ拡大に緊張している状況で、とても不思議で珍しい事例として挙げるには十分だ。
日本国内では感染者減少の背景をめぐり「ファクターX」議論が真っ最中だ。他の国と区別される、日本だけの特別な要因(ファクターX)があるというのだ。ファクターXという言葉は2012年ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥教授(京都大)が昨年から初めて使い始めた。「日本国内の感染者数が少ない理由には、日本人だけの特別な遺伝的要因があるからかもしれない」と主張しながらだ。山中教授は幹細胞研究の世界的権威だが、当時、主張の根拠を別途提示していなかった。