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慰安婦合意を覆した韓国にしこり 「岸田氏、来年7月に本性表わす」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.09.30 06:51
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「刷新」より「安定」、「河野より安倍」。

自民党総裁選の結果に対する2つのキーワードだ。事実上首相(10月4日国会決定)になった岸田文雄氏は傷もないが、魅力もない無難な政治家だ。政策的にも性分的にも安定的だ。外相や自民党の政策を総括する政調会長も歴任した。7大主要派閥のうち5番目の派閥の首長でもある。

 


反面、1次投票で1等になったが、決選投票で苦杯をなめた河野太郎は人気はあるものの人徳はない政治家だ。自民党の主流と妥協をせず、所信を曲げない姿が過去の小泉純一郎を連想させるが、議員や産業界など自民党の既得権勢力にはそれが「非好感」の理由になった。

そこに食い込んだのが安倍晋三氏だった。序盤に圧倒的優位が予想された河野氏が選挙戦中盤からおされ始めたのは「河野になれば落ち着かないまま1年も持たない」という安倍氏側の全面攻勢が議員に受け入れられ始めたためだ。高市早苗氏、野田聖子氏の出馬を促して1次票を分散させた後、決選投票で「反河野」連合で勝利するという、老獪な勝負の賭けが的中した。河野氏になれば世代交代の風で奥に押しやられるかもしれないと危惧した安倍氏の終盤の底力が河野人気を制した格好だ。「不死鳥」安倍氏は日本政治の水面下の実力者として残ることになった。

岸田首相時代の最大の関心事は韓日関係だ。最近、岸田氏と単独面談を行ったある要人は「韓日関係は大きく▼来年7月の参議院選挙までの「安全運転」第1段階▼それ以降の「岸田が本性を表わす」第2段階に分けて進められる」と予想した。長期政権になるかどうかが決まる来年7月の参議院選挙まではAA(安倍-麻生)の意向を尊重してコロナ克服を最優先する慎重な政権運用をせざるを得ない。

「自民党だけではなく日本国民も韓日関係を早期に改善するべき必要性を感じていない」〔陳昌洙(チン・チャンス)/世宗(セジョン)研究所研究委員)〕は現実的な要因もある。ソウル大学の朴チョル熙(パク・チョルヒ)教授は「『管理』はするものの、『外交リスク』になるようなものを岸田が率先して冒険することはない」と予想する。ただし、韓国に新政府が誕生し、岸田氏も参議院選挙を成功裏に終えればAAの影響から抜け出して本来のDNAである「ハト外交」に転じる余地が生じる可能性もないことはない。

また岸田氏の他の側近も29日、中央日報紙に対して「韓国との関係は速度を調節する」と話した。ただし、その理由を選挙や日本国内の世論でなく文在寅(ムン・ジェイン)政府の慰安婦合意破棄に対する「悪縁」のためだと指摘した。俗に韓国では岸田氏が慰安婦合意当時の外相なので韓日関係に関心と愛情があると解釈されているが、実際は違うという説明だ。当時の状況を簡単に振り返るとこうだ。

合意4日前の12月24日、当時安倍首相は岸田外相に「日本政府は責任を痛感」という表現が入った合意文に難色を示した。岸田氏は「ここで決着を付けて先に進むべきだ。未来を考えたとき、いま合意しなければ日韓関係は漂流する」と対抗した。結局、安倍氏は「ゴーサイン」を出した。それでも不安だった安倍氏は合意前日夜にも岸田氏に電話をかけて「本当にこのままいってもいいのか」と聞いて確約を受けた。

文在寅(ムン・ジェイン)政府発足後、この合意が事実上破棄されると岸田氏は日本世論から集中砲火を受けた。岸田氏は最近も私的な席で「『はしごを外された』(努力して事にあたっていたが、その後孤立するという日本特有の表現)」という言葉を時々口にする。まだ心にしこりが残っている。岸田氏は強制徴用者問題に対しても昨年12月、産経とのインタビューで「それは国際法と条約を守るか守らないかの問題だ。日本が譲歩する余地はない」という趣旨で言い切った。「米国が『(日韓が)仲良くしろ』と言っても(日本の)政論を譲ることはできない」とも述べている。ボールはどこまでも韓国の手元にあるということだ。

岸田氏のトラウマは逆発想が可能な部分だ。来年成立する韓国の新政府が「慰安婦合意復元」というカードを通じて徴用者問題までパッケージで解決できる余地が生じることがある。文政府も任期末に入って「慰安婦合意は有効」という立場に旋回したことから、その時期を操り上げることもできる。ただし、一つ変数は強制徴用被害者の賠償判決に伴う「現金化」という爆弾だ。これが早期に爆発することになれば韓日関係改善ははるかに向こうに遠ざかる公算が大きい。

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    慰安婦合意を覆した韓国にしこり 「岸田氏、来年7月に本性表わす」

    2021.09.30 06:51
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    2016年12月28日、ソウル外交部庁舎で韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)当時外交部長官(右)と岸田文雄当時外相が慰安婦問題解決方案を探る会談に先立ち握手をしている。[写真 共同取材団]
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