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【社説】韓米通貨スワップ締結は幸い…安心するのは早い

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.20 10:47
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いつのまにか「通貨危機」の恐怖が強まった。最近の株価暴落の余波でソウル外国為替市場では1ドル=1285.70ウォンまでウォン安ドル高が進んだ。ウォン安ドル高は昨日の一日だけで40ウォン、この1カ月間で130ウォン以上も進んだ。2009年のグローバル金融危機以降、最大幅の変動だ。このように急激に変動すれば、韓国銀行(韓銀)にいくらドルを準備しても安心することはできない。

1997年の通貨危機当時のトラウマのためだ。当時、政府は「経済ファンダメンタルズは問題ない」と話していたが外貨準備高が急減し、韓国は国際通貨基金(IMF)管理体制に入って過酷な試練を経験した。救済金融の代償として構造調整の寒波が押し寄せ、大企業と都市銀行が次々と倒産して失業者200万人余りがあふれた。

 
いま我々はしっかりと対応しなければいけない。そのような非常事態が繰り返されないという保証はない。KOSPI(韓国総合株価指数)は2009年水準の1457.64にまで暴落したが、まだ底が見えない状況だ。新型コロナウイルス感染症の経済衝撃が実物と金融を同時に打撃し、世界経済は一寸先も見通せなくなったからだ。モルガン・スタンレーは今年の韓国の成長率を0.4%に下方修正するなど悲観的な状況が展開されている。

政府も事態を重く受け止めている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日、最初の非常経済会議を開いて50兆ウォン(約4兆4000億円)規模の特別金融措置を出し、貸出延長、保証、利子猶予などあらゆる手段を総動員して枯死危機に陥った中小企業・零細業者を支援することにした。一昨日の文大統領の言葉のように、今はあれこれと問いただす段階ではないだけに避けられない措置ということができる。米国では全国民に現金1000ドルをばらまいてでもパニックを防ごうとするほど未曾有の非常経済時局だ。

韓国は状況がさらに深刻だ。世界経済がパニックになると外国人投資家が安全資産の確保に動き出し、韓国はあたかも投げ売りのターゲットにでもなったかのように証券・外国為替市場の不安が増幅している。外国人は今月に入って13日までの2週間、韓国株式市場での売り越し額が計58億1400万ドル(約7兆ウォン)にのぼった。さらに株式売却代金のドル両替が本格化すれば外国為替市場はさらに深刻な状況となる。

現在の韓国の外貨準備高は4019億ドルと、グローバル金融危機当時の倍にのぼる。6カ月分以上の輸入決済代金に相当し、今すぐ問題が生じることはないが、安心もできない規模だ。今のようにウォン安ドル高が進めば、あっという間に外貨準備高が減るからだ。さらに輸出がふさがり、国内に入ってくるドルも急減している。危険が増幅し、国家信用リスクを表すCDSプレミアムは昨年12月に比べて倍に高まった。

幸い、韓米は昨日600億ドル規模の通貨スワップを締結した。ようやく見られた迅速な対処は評価できる。しかしまだ安心する段階ではない。市場の恐怖が収まらない限りドルの需要は増え、不安が続く可能性が高い。基軸通貨国の米国は金融緩和で対応できるが、韓国は為替レートが崩れればいくら金融を緩和してもパーフェクトストームを防ぐことができない。張夏準(チャン・ハジュン)ケンブリッジ大教授も「今は準戦時状態であり(災難基本所得のような)金融緩和では解決が難しい」と述べた。今後、ドル流動性に対する綿密なモニタリングと同時に、各国の中央銀行と為替市場安定のために緊密に協調することを望む。

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