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【コラム】韓日の過去の問題は原則を守るものの国益を考慮して解決すべき(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.09.06 08:55
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韓日関係が日本の通商規制と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了で新たな危機を迎えている。半世紀の間、7、8回の危機の中でも韓日関係は政経分離という防護壁で管理されてきたが、今回は自由貿易原則を侵害した日本の強圧的な報復行為で崩れてしまった。我々は今まで日本の協力を当然視し、これを前提に韓日関係を構築してきたが、いまや日本が妨害もするという未曾有の現実に直面することになった。さらに先月22日、両国の安保協力の象徴であるGSOMIAの終了措置で葛藤は安保分野に広がった。韓日関係の正常化はさらに遠ざかったうえ、韓米関係にも飛び火している。

日本政府は否認するが、通商規制の直接的な原因は韓国最高裁の強制徴用判決による外交紛争だ。日本政府が禁止ラインとしている日本企業差し押さえ財産の現金化が来年初め実現する見込みだ。韓日関係の破局を防いで正常に戻すには、韓日関係をシーシュポスの神話のようにする過去の壁を越えなければならない。両国は過去の問題による関係悪化で貿易・投資・観光・文化交流などで互いに大きな損失が生じているだけでなく、転換期を迎えて価値を共有する隣国としてさまざまな相互協力の機会まで逃すなど機会費用も大きいからだ。

 
過去の問題は原則を立てて対応する必要がある。まず短期課題と中長期課題を分けて接近しなければいけない。短期課題は外交懸案として早期解決を模索すべきだ。強制徴用問題は差し押さえ財産の現金化の前に解決策の準備が急がれる。旧日本軍慰安婦問題も後続の補完措置が必要だ。

◆過去の問題で道徳的優位守るべき

一方、歴史和解という中長期課題は長い観点で忍耐心を持って解決していくことが求められる。そして懸案の合意があっても、政府間では最終的だが民間レベルの歴史研究・教育には影響を及ぼさないようにする必要がある。2つ目、過去の問題の解決は被害者と加害者である韓国・日本の協力で実現しなければいけない。加害者の真の反省・謝罪が被害者の寛容と結びついてこそ持続性のある解決をもたらす。韓日間のサハリン韓国人問題解決法は典型的な協力的解決の産物だ。

3つ目、過去の解決は連続性を前提に成り立たなければいけない。外交的解決は相手がいる妥協の産物であるため満足できない部分が生じるが、ひとまず合意が成立すれば政権の変動と関係なく守らなければいけない。状況の変化によって調整が必要なら、合意に基づいて補完を図る必要がある。4つ目、過去の懸案の解決において被害者中心主義を尊重するものの、全体の国益も同時に考慮する総体的な接近が望ましい。また「歴史とは現在と過去との絶え間ない対話」という歴史学者エドワード・カーの言葉のように、過去・現在・未来の均衡を考慮した戦略的な判断が求められる。

5つ目、過去の問題において我々の道徳的優位を堅持しなければいけない。金銭的な問題はできるだけ我々が負担し、その代わり日本に正しい歴史認識と歴史教育を要求することが重要だ。6つ目、我々の社会に残っている被害者意識を克服することだ。被害者意識は心理的劣等感を招き、自らを締めつけ、歴史に関する省察を通じて教訓を得て未来を切り開く力量までも制約する。歴史学者ブルクハルトが述べた歴史の二重機能である過去の社会を理解して現在の社会に対する支配を増やすことを同時に考慮しなければならない。最後に、過去の懸案解決はこれによって派生した通商規制、GSOMIA問題とともに一括妥結するのが望ましい。GSOMIAは11月22日に失効するため、それ以前に解決のきっかけを見つけなければいけない。

強制徴用問題は「悪い事実は悪い法を作る」という法言のように、過去の韓日関係の複雑な経緯が生み出した法的に非常に難しい事案だ。国際法上、植民地が独立する際、植民母国と新生独立国は国家の継承を明確にするために通常は移行協定を締結して両者間の権利・義務継承を解決する。しかし韓国は日本の35年間の植民統治を不法と見なして継承を認めなかった非常に珍しい事例だ。

半面、日本は植民統治を合法と見なし、双方に大きな立場の違いがあった。それで韓日国交交渉は14年という世界的に類例のない長い時間がかかり、結局は妥協を通じて埋めた。韓日基本条約第2条の「すでに無効(already null and void)」という相互矛盾する文言を通じて、韓国は植民統治を源泉無効の不法と解釈した。一方、日本は1910年以前に大韓帝国と締結した条約はサンフランシスコ講和条約の発効で失効するため植民統治自体は合法だと解釈することで、埋めるのが難しい隔たりを「異見合意」で封印した。こうした点で韓国最高裁の判決は54年前の修交当時の封印を解いたということだ。


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